器具を用いたED治療

ED・勃起不全で悩まれている方の中には、ED治療薬やカウンセリングが効かない方もいます。

たとえば、事故や病気で、脊髄、勃起中枢などに障害、損傷があれば、勃起に必要な信号が伝わらず、思うように勃起できないということがあります。

また、陰茎周辺の血管や陰茎海綿体に障害、損傷があれば、勃起できない、あるいは勃起してもその維持ができないという事もあります。

このように、なかなか治療薬でも治療ができないときは、コックリングなどの器具によるED治療も試みられます。

このページでは、そのような器具などによるED治療についてご紹介いたします。

コックリング

コックリング(Cockring)とは、陰茎の根元につけられる、リングのことです。

陰茎の根元をつめつけることにより、陰茎海綿体に流入した血液が、海綿体から出て行くことを防止し、勃起時間を引き延ばす効果を狙っています。
陰茎海綿体には異常がなく、勃起はするがすぐに通常様態になってしまうといったED・勃起不全の方の治療に使われます。

コックリングの材質は、ゴムやシリコンが一般的ですが、中には金属のリングにゴムをコーティングしたものなどもあります。

このコックリングは、血の流れを止める、阻害するものですので、長時間装着していると、陰茎細胞の損傷や、最悪陰茎細胞の壊死が起こることもあります。
そのため、コックリングの使用は最長20~30分程度とされています。

使用していて、陰茎の痺れや色の変化(白っぽくなる)を感じたら、すぐにリングをはずすよう、リングの取扱説明書にも注意書きがあります。

また、コックをはずしても勃起しっぱなしで通常時の状態に戻らない、持続勃起症が発生したという報告もあり、安易な気持ちでの使用は控えるべきだと思います。

VCD治療(陰茎補助ポンプ)

VCD治療とは、陰茎に試験管のようなシリンダー・カプセルをかぶせ、ポンプによりカプセル内を真空状態にすることにより陰茎海綿体に血液を集めてうっ血させ、陰茎を勃起させる、ED・勃起不全の治療法です。
陰茎が勃起した後は、陰茎の根元にコックリングを装着し、勃起状態を継続させます。

陰茎海綿体や血管には異常はないのだが、病気や怪我などにより、勃起しない、あるいは勃起はするが硬度が上がらないといったED・勃起不全患者さんの治療に使用されている方法です。

また、物理的な方法なので、病気や体質などによりバイアグラ等の治療薬が使えない方でも使用可能となっております。

この治療法も、コックリングを使いますので、長時間の装着によって陰茎細胞の損傷、壊死などが起こる可能性があるので、勃起継続時間は最長30分程度とされています。

また、このVCD治療を続けていくうちに、器具の補助なしに自然な状態でED・勃起不全が治ったという例も報告されているそうです。

ICI治療法

ICI治療法とは、陰茎海綿体に勃起誘発薬を直接注射する治療法です。

即効性が強く、注射後3~5分程度で陰茎は勃起するということです。
バイアグラなどの経口薬剤が効かない方や、病気などにより経口薬剤が使えない方などに使われている治療法だそうです。

陰茎に注射と聞くと、すごく痛いのでは?と思われるかもしれませんが、ICI治療に使う注射針は、髪の毛ほどの太さしかなく、注入する薬剤も0.1cc~0.3ccと微量なので、ほとんど痛みは感じないそうです。

さらに、注射する薬剤の種類や量を変えることで、より細かく勃起の硬度や継続時間をコントロールすることができるそうです。

また、最初はお医者さんに注射をしてもらうのですが、慣れてくれば自分で注射をする自己注射という方法も取れるそうです。

陰茎プロステーシス

陰茎プロステーシスとは、シリコンなどでできた棒(支柱)を陰茎海綿体に移植する治療法で、陰茎海綿体の損傷や、血管の損傷などにより、ほかの治療法が効果がない場合の最終的な治療方法です。

プロステーシスには「インフレータブル型」と「ノン・インフレータブ型」があり、患者さんのライフスタイルや好み、費用などによって選択されます。

インフレータブル型プロステーシス

インフレータブル型プロステーシスは、陰茎海綿体部に埋め込むバルーン部と、このバルーン部に血液の代わりの液体を送り込むポンプ、そして液体をためておくタンクと弁からなります。
ポンプと弁は陰嚢部に、タンクは膀胱近くに埋め込むのが一般的といわれています。

通常時はバルーンはしぼんでいますので、陰茎も小さくなっていますが、陰嚢部のポンプを操作することによりバルーン部に液体を送り込みバルーン部を膨らませ、陰茎を勃起状態にします。
通常時に戻すには、弁を操作し、バルーンから液体をタンクに戻し、バルーンを縮めます。

このインフレータブル型プロステーシスは、通常時は陰茎が小さくなっているので、より自然で、わかりにくいという利点がありますが、機構が複雑になるので故障のリスクもあり、また手術も高額になってしまいます。

ノン・インフレータブル型プロステーシ

ノン・インフレータブル型プロステーシスは、シリコンなどで作られた、棒を陰茎海綿体部に埋め込むものです。
インフレータブル型は、ポンプにより勃起状態と通常状態を切り替えることができますが、このノン・インフレータブル型は常に陰茎が勃起している状態になります。

通常時でも勃起状態にあるので、不自然であり、収納に困ってしまうことはありますが、故障やトラブルの心配もなく、手術も簡単で安価ということもあり、こちらのプロステーシスを選ばれる方もいらっしゃるそうです。

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